プロポリスとワルファリン
健康食品は、医薬品などとの飲み合わせに注意を必要とすることがあります。プロポリスの飲み合わせに注意すべき医薬品としてワルファリンがあります。
プロポリスとファルファリンの飲み合わせはどういった問題があるのでしょうか。
プロポリスの作用
プロポリスはミツバチにより作られる巣材で抗菌、殺菌作用があり、人工的には作ることができない物質であるといわれています。プロポリスは有効性などについて、まだ解明されていない部分が多くあり、統一された議論がなく、現在も研究が続けられている途中です。
これまでのところ、理論的に考えられる相互作用として、プロポリスは抗凝固作用のある薬との併用により、血液凝固能に影響を与える可能性が指摘されています。
血液凝固とは、怪我などで血管の外に流出した血液が固まることで、この作用が あるからこそ止血に繋がります。
ワルファリンとは?
ワルファリンは血液を固まりにくくする抗凝固剤で、血栓症の治療に用いられる経口の医薬品です。ワルファリンカリウム、ワーファリンとも呼ばれます。
血栓症は血管内部で血が固まり血栓が作られ、血液の流れが止まる病気です。
ワルファリンは血管内部で血が固まるのを防ぐ働きがあり、脳卒中や心筋梗塞の治療にも使用されます。
プロポリスとワルファリンの相互作用
プロポリスとワルファリンを同時に摂取すると、凝固能異常亢進(凝固異常)と考えられる症例が発生したとの報告がなされています。しかし現在まで、このような症例の報告数は国内で1件のみで、プロポリスとワルファリンの相互作用がマイナスに働くという科学的根拠は明確にされていません。
ただこのふたつを同時に摂取すると凝固異常が起こる可能性もあるという訳です。
ワルファリンを服用している人は、自己判断でプロポリスを摂取せず、まず主治医に相談し指示を仰ぐことをおすすめします。
飲み合わせによる注意
ワルファリンは多くの薬や食べ物との飲み合わせにより、出血のリスクを高めたり、または逆にワルファリンの効力を低下させます。プロポリスと同じく、ミツバチにより作られるローヤルゼリーもワルファリンとの飲み合わせで注意が必要な健康食品です。
納豆、クロレラ、青汁などビタミンKを含む食品もワルファリンとの相互作用があり、ワルファリンの作用を低下させることが知られています。
プロポリスを含め、いずれも単独の摂取では問題は起きませんが、同時摂取により問題になる可能性があるということを覚えておきましょう。
プロポリスの成分がワルファリンに影響
プロポリスは微量成分を合わせると数百種類以上の成分から作られています。そしてそれらの成分はプロポリスの産地や種類により違います。
プロポリスはビタミンも含みますが、その種類はワルファリンの作用を弱めるビタミンKから逆に効果を高めるビタミンAやビタミンEなどさまざまです。
これだけの種類の成分を含むプロポリスと、ワルファリンに限らず、医薬品を同時に摂取した場合に起こり得る作用について、完全に把握することは残念ながら不可能なのが現状です。
単独摂取では問題なくても、飲み合わせにより何らかの問題が起きる可能性は常に存在します。
服用中の医薬品、健康補助食品などがある人は、専門家とよく相談してからプロポリスの服用を決めましょう。