エキナセアとプロポリス

毎年、寒い季節になると風邪やインフルエンザが流行します。
風邪やインフルエンザは予防が何よりも大切です。
手洗いとうがいの励行はウィルスや細菌の感染を予防するうえで最も基本的で大切なことです。
エキナセアとプロポリスは風邪の予防と症状の軽減に効果が期待できます。

エキナセアとプロポリスとは？

エキナセアとプロポリスは健康食品やサプリメントとして販売されているので、誰でも一度はその名前を耳にしたことがあると思います。
どちらも天然の成分で似通った働きがあります。

エキナセアとは？

エキナセアは北米が原産のキク科の多年草の植物で、古くからアメリカ先住民が薬用として用いてきた歴史があります。
エキナセアはマーガレットに似た形をした薄紫色の花を咲かせ、1.2メートル程の高さまで生長します。
エキナセアはエキナセア・プルプレア、エキナセア・アングスティフォリア、エキナセア・パリダなど全部で9種類あり、それぞれ利用される部位が異なります。
エキナセア・プルプレアが最もよく利用されている種類です。

プロポリスとは？

プロポリスはセイヨウミツバチが樹木の新芽や蕾、樹皮から樹液を採取し、自らの分泌液と混ぜ合わせて作る粘着性のある物質です。
人工的に作ることは不可能だといわれています。
プロポリスを作るのはセイヨウミツバチに限られ、日本のミツバチはプロポリスを作りません。

プロポリスはミツバチの巣の補強や修理に使用されるほか、巣内の細菌を除去し病気が蔓延するのを防ぎ、巣を長く存続させる役目を果たしています。

採取する樹木の種類や収集時期、抽出方法などにより同じプロポリスでも成分に大きな差があります。

エキナセアとプロポリスの有効性

エキナセアは伝統的に感染症の改善に利用

エキナセアは免疫力を強化する可能性があるという伝統的な考えから、風邪などの感染症の軽減に使用されてきました。
海外での民間療法では怪我や皮膚疾患などの外傷用としても使われています。

風邪による上気道感染や咳の軽減に関わることが研究により明らかになっています。
ヒトに対する臨床実験では、風邪などの上気道感染の治療に対して有効と考えられる一方、予防には効果がないのではと示唆されています。
この件についての研究結果の結論は一致せず、ばらつきがあります。

研究によると風邪の症状が出た直後に1週間から10日間程度連続して摂取した場合に、その症状の軽減と風邪の期間を短くすることができるのではとも考えられています。

現在までのところ、どの種類のエキナセアが最も効果的なのかについてはまだ明らかになっていません。
エキナセアの有効性についての研究は現在も継続され、今後の研究結果の報告が待たれます。

プロポリスはうがい用に効果

プロポリスはうがい用に使うと痛みと炎症の軽減に効果があります。
また口腔内形成手術後の治療を早める効果があるともいわれています。
このため、うがい用、マウスウォッシュ専用に商品化されたプロポリスも販売されています。

また喉の痛みを軽減するのど飴やキャンディもあります。
キャンディタイプはプロポリス独特の味や匂いが軽減されるため、使用しやすいと評判です。

プロポリスのサプリメントは錠剤や液状タイプがあり、うがい用に使う場合は液状タイプをお湯に数滴入れ、朝夕2回使用すると風邪の予防にも有効であると考えられています。
水には溶けません。

プロポリスの有効性についてもまだすべてが解明されておらず、現在も研究が進められています。

エキナセアとプロポリスの注意事項

エキナセアの注意点

エキナセアは短期間、適量を摂取する場合は安全だとされています。
実験では16週までは安全に摂取できたという報告があります。
ただしドイツでは8週間以上の連続摂取は控えるように定められています。
これは長期の摂取はエキナセアの効果が薄れる可能性があると考えられているためです。
過剰摂取すると咽喉の炎症が起きます。

エキナセアはアレルギー体質、ならびにキク科の植物にアレルギーがある場合やアトピー性皮膚炎、喘息の人は使用できません。
また免疫賦活作用があるため、エイズなどの自己免疫疾患の症状を悪化させる危険性があります。
このため全身性疾患の人は使用を控えます。

プロポリスの注意点

プロポリスは安全性が認められていますが、ハチやハチの生産物、針葉樹、ポプラなどの植物、サリチル酸にアレルギーのある人は使用を避けます。
アレルギー体質、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎の人も使用しない方がよいとされています。

エキナセアとプロポリスで風邪対策

風邪対策にはエキナセアとプロポリスの両方を摂ると効果的だと考えられているため、エキナセアとプロポリスを一緒に配合したスプレータイプのサプリメントも販売されています。
風邪の予防だけでなく、引いてしまった後の喉の痛みや炎症の軽減に有効です。
風邪やインフルエンザが流行する前からエキナセアとプロポリスで予防に努めましょう。