プロポリスが与えるアレルギーへの影響
厚生労働省によると、花粉症やアトピー性皮膚炎などを患う人の数は過去約15年間で急増し、今では日本人の3人にひとりが何らかのアレルギーを持っているとしています。アレルギーがあると、たとえ健康に良いといわれるプロポリスでも、摂取可能かどうかを慎重に検討する必要があります。
プロポリスが与えるアレルギーへの影響とは一体どのようなものがあるのでしょうか。
アレルギーとその症状
食物アレルギーや花粉症は子供から大人まで幅広い年齢層にみられます。アレルギーは免疫の異常な反応で、本来は無毒の食物や花粉などに対し、体が異物と判断し攻撃することにより起こります。
一般的なアレルギー症状としてはじんましん、かゆみ、咳、下痢、湿疹、くしゃみ、鼻水など軽度なものから、意識障害、血圧低下、呼吸困難、アナフィラキシー反応など重度なものまでさまざまです。
天然素材の健康食品もアレルギーの原因になる
一般に安全が確認されている健康食品でも、人により体質に合わない製品を利用するとアレルギー症状が起こる可能性があります。プロポリスを含む天然素材の健康食品のローヤルゼリー、ウコン、エキナセア、スピルリナ、ざくろ、三七人参などは体質によりアレルギー症状が起こることが報告されています。
特に今までに何らかのアレルギー症状を経験したことのある人は、これらの健康食品の摂取には注意が必要です。
注意が必要な プロポリスのアレルギー症状とは
プロポリスの安全性は認められていますが、実験でアレルゲンになり得ることが認識されています。特に注意が必要な症状は接触性皮膚疾患で、化粧品を含むプロポリスを外用に使用した場合に起こりうる症状です。
また外用、内服のどちらにでも現れる特有のアレルギー症状として口唇の炎症、口腔内粘膜の腫れ、リンパ節炎、咽頭浮腫、アナフィラキシーショックなどが報告されています。
プロポリスのアレルギーを引き起こす可能性のある成分
プロポリスはフラボノイドをはじめ数百種類もの成分を含みます。プロポリスの成分や品質は採集地や採集時期、管理方法などにより異なります。
プロポリスのアレルゲン物質として知られているのは、ジメチルアリルカフェ酸、カフェ酸フェニルエチル、プレニルカフェ酸などがあります。
メーカーによっては、これらのアレルゲンとなりうる成分を除去したプロポリスを販売しているところもあります。
詳しくは各メーカーに問い合わせてみることをおすすめします。
花粉症とプロポリスの関係
アレルギーの中でも花粉症に悩む人の割合はかなり高く、患者数は年々増加しています。プロポリスの成分には花粉も含まれているため、アレルギー症状を引き起こす可能性があるという事実に矛盾するようですが、プロポリスが花粉症に効く可能性についての研究がすすめられています。
プロポリスを用いた花粉症に対する実験結果は?
国内でスギ花粉症患者を対象に、プロポリスエキスの錠剤を12週間摂取させた実験で、症状発症時に必要な薬剤の量が減少したという結果が報告されています。ただし鼻症状スコア、鼻所見スコアなどには影響はありませんでした。
別の実験では、プロポリスはスギ花粉症患者の鼻づまりの症状率を低下させたものの、全症状の発症率やくしゃみ、鼻水などの症状スコアには変化はありませんでした。
プロポリスが花粉症を改善する可能性については、現在も研究が続けられています。
今後の研究結果の発表が待たれます。
プロポリスとアレルギー
アレルギー、プロポリスについてはどちらもすべてが解明されているわけではありません。しかしプロポリスがアレルゲンになり得るということは確認されています。
アレルギーが気になる方は摂取に先立ち、まずかかりつけの医師に相談することをおすすめします。
ハチ、ハチの生産物、針葉樹、ポプラ、アレクリン、サリチル酸にアレルギーがある方は使用を控えます。
また喘息の方は症状が悪化する可能性が指摘されているので使用を避けましょう。
妊娠中、授乳中の場合も安全性が確認されていないため使用しないように気をつけてください。
まとめ
・安全性が確認されているプロポリスでも体質によりアレルギー症状が出ることがある・プロポリスのアレルギーの顕著な症状は外用の使用で接触性皮膚疾患、外用または内服の使用で口唇の炎症、口腔内粘膜の腫れ、リンパ節炎、咽頭浮腫、アナフィラキシーショックなどがある
・ハチやハチの生産物のアレルギー、起原植物のアレルギー、喘息の場合は使用を避ける
・何らかのアレルギーがある場合のプロポリスの使用は慎重に行い、必要に応じ医療機関に相談する
・プロポリスの花粉症に対する有効性が期待されているが、現在も研究が続けられている状況にある
・アレルギー成分を除去したプロポリスの製品も販売されている