プロポリス採取に適したアフリカナイズドミツバチって?
プロポリスは世界中の多くの国々で採集されていますが、その中でもブラジル産のプロポリスが特に有効性があり生産量も多く高品質だとされています。その理由はブラジル産のプロポリスを作るアフリカナイズドミツバチにあります。
アフリカナイズドミツバチの誕生のきっかけ
プロポリスはセイヨウミツバチが作ります。アフリカナイズドミツバチはセイヨウミツバチとアフリカミツバチの交雑種です。
アフリカナイズドミツバチは、ブラジルで養蜂に適したハチの品種を研究していた学者の、研究のためにアフリカから持ち込んだアフリカミツバチが逃げ、ヨーロッパから持ち込まれたセイヨウミツバチとの自然交配により誕生したといわれています。
元々アメリカ大陸にはミツバチは生息していませんでした。
セイヨウミツバチもアフリカミツバチもそれぞれ別々の大陸から持ち込まれ、そこから生まれたのがアフリカナイズドミツバチだというわけです。
アフリカナイズドミツバチの特徴
アフリカナイズドミツバチは攻撃性と防衛本能が強く、集団で人を襲い死亡させることもあるため、別名をキラービーと呼びます。アフリカナイズドミツバチは群れを作り集団で生活し、その防衛本能の強さから、巣を守るためのプロポリスを短期間で大量に作る能力に優れています。
またアマゾンの高温多湿の気候に適応し、細菌や病原菌から自らを守るために非常に有効性の高いプロポリスを生産するといわれています。
アフリカナイズドミツバチはプロポリスの高い生産能力だけでなく、ハチミツも 採集します。
そのため、ブラジルでの養蜂にアフリカナイズドミツバチは大きく貢献しています。
アフリカナイズドミツバチが作るプロポリス
アフリカナイズドミツバチはほかのミツバチと比べて運動能力が勝り、飛行距離が長く、広範囲で薬効の高い樹脂を集めることができます。アフリカナイズドミツバチが作るプロポリスの原料となるアレクリンと呼ばれる植物は、アルテピリンCという桂皮酸誘導体を含みます。
この成分には高い抗菌作用があるとされています。
ブラジルのアフリカナイズドミツバチが作るプロポリスは品質が6段階に分かれています。
なかでも最高品質といわれるものはグリーンプロポリスで、ブラジルのミナス・ジェライス州という高原で採集されます。
そのほかの産地で有名なのは市街地以外のサンパウロ州、パラナ州北東部です。
グリーンプロポリスの特徴
グリーンプロポリスは桂皮酸誘導体のアルテピリンCとバッカリン、フラボノイド、キナ酸、カフェ酸エステル類、テルペン類などを多く含みます。このため強い抗菌作用、抗酸化作用、抗ウイルス作用、血行促進、血管強化、免疫力向上などが期待できます。
ブラジル産プロポリスの選び方
ブラジル産のグリーンプロポリスが高品質だということで、低品質のプロポリスを緑色に着色し、グリーンプロポリスとして販売しているケースもあります。そういう粗悪品を誤って購入しないためにも、初めてプロポリスを購入する際は、長年プロポリスの販売を手がけてきた信頼のおけるメーカーの商品を選ぶと間違いないでしょう。
ブラジル産のプロポリスの場合、ひとつの目安としてブラジル政府農務省認可のS.I.F.マークがあるものは信頼がおける製品で安心して使用することができます。
購入時の参考にしましょう。
アフリカナイズドミツバチの移動とその後
アフリカナイズドミツバチはプロポリスやハチミツを作り、人に有益である一方、キラービーとして人や家畜を襲う恐ろしい面もあります。アフリカナイズドミツバチは、誕生したブラジルのサンパウロから毎年生息範囲の拡大を続け、2004年には北米のカリフォルニア州のセントラルバレーで、2007年にはルイジアナ州ニューオリンズで、南はアルゼンチンの北部でも観測されました。
発生地のブラジルでは、性格の穏やかなイタリアミツバチを大量に養蜂家に配布しアフリカナイズドミツバチと交配させた結果、攻撃性が弱まり、被害は減り続けているということです。